ある日、右肩が痛くて腕が思うように上がらない。
寝違えたのかと思いきや数日経っても治らない。
さらに右肩ばかりか右腕にも痛みが広がり、腕を伸ばすと痛い。
夜寝ていても痛くて熟睡できないなど・・・
これは『五十肩』特有の症状となります。
じつは『五十肩』は間違った対処をしてしまうと肩が元の状態に治らなくなる事もあるのです。
そこで、右肩と右腕が痛い『五十肩』の正しい対処法について、私の実体験とともにご案内致しますね。
Contents
右肩と右腕が痛い!『五十肩』の可能性が!?
ある日突然、右肩が痛み出し次第に右腕にも痛みが出て来る疾患に『五十肩』があります。
五十肩になると、とにかく半端無く右肩と右腕が痛いです(>_<)
じつは、『五十肩』は適切な治療を受けずに自己流で間違った対処をすると、肩の動きが悪いまま元の状態に戻らなくなる可能性があるのです。
ですから、たかが『五十肩』と侮れないものがあります。
五十肩ってどんな疾患?
五十肩は肩関節の周囲に炎症が起こる疾患です。
なので、別名(正式には)肩関節周囲炎といいます。
五十肩は40代から50代に多い疾患となりますが、30代の若い方でも罹ります。
なぜか利き腕側の肩に発症することが多いです。
適切な治療とリハビリをしないと運動障害が残る可能性があり侮れません。
また、いったん症状が出ると日常生活に支障が生じるだけでなく、回復までの道のりも長期化するため厄介な疾患なのです。
個人差はありますが一般的に回復するまでにかかる期間は半年前後から2年かかる方もいるようです。
五十肩の主な症状がコレ
五十肩の主な症状として、痛みと肩関節(=腕)の動かしづらさが上げられます。
つまり、右肩から右上腕部にかけての痛みと運動制限が起こります。
具体的には下記のような症状です
- 右肩の関節部分が痛む
- 痛くて右腕が肩より上に上げられない
- 万歳と真横から腕を上げる動きが痛くてできない
- 右腕を伸ばすと右肩の付け根に激痛が走る
- 右腕を後ろに回せない
- 寝ていても痛むため熟睡できない
- 痛みが右肩から右上腕部まで広がる
- 酷い時はジッとしていても痛む
このような症状が続いて、どんどん肩関節周りの動きが悪くなって行きます。
なので、医療機関を受診して適切な治療とリハビリを受ける必要があるのです。
五十肩で生じる日常生活での支障
五十肩では肩の炎症による痛みと肩の動きが悪くなることにより、日常生活にさまざまな支障が生じて来ます。
例えばこんな事ができなくなります
- 女性ならばブラジャーの取り外しができない
- 背中に手を回して掻くことが出来ない
- トイレで(大)の時にお尻を拭きづらい
- トイレや着替えの際に下着やズボンを上げる動作がやりづらい
- ブラウスや上着の袖を普通に腕を通して着る事ができない
- 肩を痛めている方の腕では扉の開閉がしづらい
- 肩から重量を支えられないため、荷物を持ったり支えたりする事が出来ない
- 手の届かないモノは腕を伸ばして取る動作ができない
といった具合に日常の動作にも支障が出てきます。
なので、症状が進む前に適切な治療とリハビリを開始する事が重要です!
『五十肩』発症から回復までの道のり
五十肩の場合は早めに整形外科を受診しましょう。
できればリハビリ施設付きの病院がおすすめです。
理由は
■痛みを抑える消炎鎮痛と
■肩関節の運動機能を回復させるためのリハビリ(=運動)
五十肩の治療ではこの2つが基本となるからです。
肩関節の機能回復を目的とした運動は自己流では正しく行うことが出来ません。
やはり専門の理学療法士さんに指導を仰ぎながら行った方が早く確実に回復できます。
また、五十肩は大きく分けて3つの段階を経ながら回復へ向かいます。
なので、治療とリハビリもその過程により違って来るのです。
だから医療機関を受診せずに自己流で治そうとするのは運動機能に障害を残すリスクが伴います。
では段階別の治療とリハビリ運動を見て行きましょう!
【五十肩】段階別症状と治療・リハビリについて
五十肩は発症から回復までに大きく分けて3つの段階があります。
治療法と運動によるリハビリも段階別に分かれています。
では、それぞれ見て行きましょう。
その1【急性期】
痛み度合い★★★★★
急性期は別名炎症気ともいわれています。
この時期は非常に強い痛みが右肩から右腕(上腕部)に発症します。
個人差がありますが期間としては痛み始めてから一ヶ月(3~4週間)から長い人で2ヶ月ほどとなります。
急性期(炎症期)の症状
- 腕を動かさなくても痛むことがある
- 腕の上腕部から肘付近まで痛む
- 手先に痺れを伴うこともある
- 左腕に比べて右腕が冷たくなることもある
- 夜間痛といって就寝中に痛むため睡眠障害となる場合がある
急性期での治療とリハビリ
急性期は安静が第一となります。
痛みが起こるような無理な動きや痛む方の腕で重い荷物を持つのは控えましょう。
また、この時期に適切な治療を受けないと強い痛みが長引く原因となります。
病院で治療を受けた場合、この時期はレントゲンを撮った上で肩に炎症を改善する薬か痛みを緩和するための神経ブロック注射が行われます。
炎症期の間は炎症を抑える飲み薬や痛みを緩和する飲み薬が同時に処方されます。
さらに肩関節周囲の筋肉を固まらせないために低周波電気治療も行われます。
私の場合は痛みを緩和する「ペインブロック」注射を1回
その後1週間後にヒアルロン酸注射を1回受けました。
飲み薬は消炎効果のあるモービック錠10mgと胃薬としてムコスタ錠が処方されました。
また週2~3回の低周波電気治療と自宅で出来る簡単なリハビリも指導されました。
ちなみにペインブロック注射は針を刺すときチクッとしただけで然程痛くなく、注射後はかなり痛みが引いて楽になりました。
ヒアルロン酸注射は打つ時に少し痛かったのと、注射後2~3日患部が痛くて1週間ほどで徐々に治まって行きました。
医師に確認したところ、ヒアルロン酸は注射後2~3日痛いのは仕方ないそうです。
不安な場合は医師と相談しながら納得の上で治療を受けると良いと思います。
その2【慢性期】
痛み度合い★★★
急性期がすぎると安静時にはほとんど痛みを感じなくなる【慢性期】へと入ります。
ただし、急に動かしたりすると激しい痛みがぶり返しかねない微妙な時期でもあります。
この時期になると痛みは落ち着くものの、右肩関節の動きが悪いため腕が上がらない、腕を後ろに回せないなど、運動機能に制限があるため日常生活に支障が生じる場面が続きます。
慢性期の症状
慢性期では痛みよりも右肩関節の動きの悪さが深刻となります。
右肩関節の動きが制限されるのは関節周囲の筋肉が動かさない事により、筋膜が癒着して固まってしまうからです。
そのため、『五十肩で生じる日常生活での支障』で述べたような日常動作で不便を強いられる場面が多くなるのです。
慢性期での治療とリハビリ
五十肩では『慢性期』における治療とリハビリが回復度合いを決める最も重要な期間となります。
痛みが落ち着く慢性期では痛みの度合いにより飲み薬の服用と低周波電気治療に加えてリハビリによる肩関節の可動域を元に戻すための運動が中心に行われます。
五十肩では肩関節だけでなく、肩関節周囲の筋肉が筋膜が癒着して固まることにより動きを制限しているのです。
また、五十肩を患っている側の肩甲骨の動きまでもが悪くなっていいたりします。
なので、関節周囲の筋肉の筋膜の癒着をほぐしながら、同時に肩関節を支える筋肉の強化を目指して運動によるリハビリが組まれます。
この間は病院でのリハビリだけでなく、指導される運動を無理のない程度で自宅でもちゃんと行うことが大切です。
五十肩は病院任せでなく、自らもしっかりとリハビリに取り組まないと回復しません。
回復できるかどうかは自分の取り組み次第でもあるのです。
この慢性期をどう過ごすかによって後々が大きく違ってきます。
私の慢性期での治療とリハビリは・・・
痛みが残っているため、飲み薬は急性期と同じモービック錠10mgとムコスタ錠
病院で理学療法士によるリハビリと低周波電気治療が週2回
自宅で指導されたリハビリ運動を毎日朝晩2回です。
続ける事によって肩より上に上がらなかった腕が上がるようになり、後ろに回せなかった腕が回せるようになりました。
ただし、痛みを我慢して頑張ると逆効果となるので医師と理学療法士さんの指示は必ず守りましょう!
その3【回復期】
痛み度合い★
この頃になると痛みはほとんどなくなり肩の可動域も回復してくるため腕が動かしやすくなっています。
ですが、発症前に比べるとやはり可動域に制限があります。
回復期に入るまでには個人差がありますが早い人で3ヶ月~6ヵ月ほどとなります。
慢性期を過ぎればあとは完治に向けて運動リハビリを続けるのみです。
回復期に入ると油断から運動リハビリをサボって続けない方がいます。
しかし、ここで辞めてしまうと癒着した筋膜が固まって運動制限が残ってしまいます。
なので、指導された運動リハビリは欠かさず続ける事が大切です。
また、右肩周りだけでなく体全体の筋力をバランスよく維持できるように適度な運動を取り入れるなど努力することが再発を防ぎます。
五十肩になる原因
五十肩になる原因はハッキリこれといえるモノがありません。
ただ、発症する傾向が高い事例を上げておきます。
発症する傾向が高い事例
■年齢30歳以上から60歳代に多い
(特に肩の腱板は加齢とともにもろくなるため炎症を引き起こしやすくなる)
■男性よりも女性の方が発症する率が高い
(女性は40代半ば以降の更年期にかかる年齢から発症しやすくなる)
■デスクワークでパソコンなど長時間同じ姿勢による仕事をしている人はなりやすい。
(猫背など姿勢の悪い人で普段から肩や首の凝りが酷い人は要注意)
■腕を長時間上げる状態で作業をした後は発症しやすい
(たとえば樹木の伐採や高い棚の拭き掃除など・・・)
つまり、肩の腱板がもろくなっていることに気づかずに無理な姿勢や体制で長時間作業をする事により普段使われていない筋肉や腱板に負荷がかかって五十肩が発症するキッカケとなってしまうようですね。
ちなみに痛みが出ていなくとも鏡の前で真っ直ぐに立って手の平を上にして両腕を真横から上に上げた時に同じ角度まで上がらなければ肩に運動制限があるということになります。
つまり五十肩の発症前段階となりますから痛みが出る前にリハビリ運動を開始しましょう。
五十肩を予防するためには?
五十肩を予防するためには普段から適度な運動を心がけることが大切となります。
肩関節を動かすには肩関節に繋がる様々な筋肉が関係しており、さらにその筋肉を動かすために別の筋肉が関係しているのです。
- 普段あまり体を動かさない。
- デスクワークなどいつも同じ姿勢が多い=同じ筋肉しか動かしていない
- あるいは仕事柄いつも同じ動作しかしない=同じ筋肉しか動かしていない
このような方は普段使わない部分の筋肉で筋膜が癒着を起して委縮が進み、その部分の動作が制限される事になります。
その状態で瞬間的な負荷がかかったり、長時間負荷が加わったりすると肩であれば肩の腱板に必要以上の無理がかかり五十肩を発症するキッカケとなるのです。
ですから、日頃から適度な運動を取り入れて体の筋肉を程よく動かす、使ってあげる事が重要となります。
そこで最適となる運動が『ラジオ体操』です!
ラジオ体操がおすすめの理由
■老若男女を問わず誰にでもできる動きであること
■体を鍛え筋力を強化することにポイントを置いて作られていること
■比較的運動が苦手な人でも出来るように組まれている体操であること
■全身の筋肉をバランスよく使う13のメニューで構成されていること
■第一・第二体操とも曲になっているので最後までやり遂げやすい
まだ五十肩になっていない方は健康づくりと予防のために、五十肩が回復した方は再発防止のために取り組まれることをおすすめします。
尚、ラジオ体操には嬉しいダイエット効果もあるので一石二鳥ですよ。
整体やカイロプロテティックってどうなの?
五十肩の治療で整体やカイロプロテティックを利用する方もいると思います。
私の経験からお話しするとお勧めしません。
理由は整体やカイロプロテティックは国家資格がなくても誰でも開業でき、技術力や知識において基準がないため施術者によって技術力に差があります。
また診断するのに聞き取り以外にレントゲンや検査で事前に状態を確認することができないため正確な状態を把握されないまま施術を受けることになります。
そのため、場合によってはかえって悪化することもあり得るのです。
さらに診療費も1回数千円と高額ですが基本的に医療費控除の対象にはならないため、確定申告で医療費を取り戻すことは出来ません。
五十肩は治療期間が長くなりますから医療費控除の対象にならない治療を受けるのは勿体ないです。
なので、保険証で受診できる医療機関での治療をおすすめします。
本日のまとめ
右肩と右腕が痛い!可能性のある疾患は?
- 右肩と右腕が痛い場合に可能性のある疾患して『五十肩』がある
- 五十肩は40歳から60歳代に多い疾患ですが、30歳代の若い人も罹る
- 五十肩は適切な治療とリハビリを受けないと運動障害が残るリスクを伴う
- 治療は整形外科や関節の専門医を受診した方が良い
- 五十肩の治療は投薬と運動リハビリの2つが基本となる
- 受診はリハビリ施設併設の病院に罹った方がベスト
- 五十肩の進行は大きく分けて3つの段階がある
- 段階別に治療とリハビリ内容が変化して行く
- 治療とリハビリは医師と理学療法士さんの指示を必ず守る
- 五十肩になる原因はハッキリとは解明されていない
- 発症する傾向が高い事例はある
- 五十肩の予防には日頃から適度に運動をして体全体の筋肉を程よく使う事が大切
- 予防のための運動にはラジオ体操がおすすめ
五十肩の治療期間は半年前後から2年と長くなるため、確定申告で医療費控除の対象となる保険証で受診できる医療機関で受けた方がお得です。
あなたが一日も早く痛みから解放されますように。