いまや5世帯に1世帯は何らかのペットを飼育していると言われています。
なかでも夫婦で犬を飼われている方は多いのではないでしょうか?
夫婦がいつまでも円満でいられたら良いのですが残念ながら離婚となる場合もあるわけです。
そうなると「どちらが愛犬を引き取るのか?」という問題が持ち上がります。
つまり、別れる配偶者と親権(所有権)をめぐって争う事になるのです。
また、引き取った方からの養育費の請求など複雑な問題が続きます。
ただ犬の場合は法律上の扱いが【物】となるため、子供の親権を取り決めるのとは状況が違ってきます。そこが問題をさらにややこしくするのですが・・・
今回は離婚に伴う犬の所有権と養育費に関して詳しく解説して参ります。
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離婚した場合大切な家族である「犬」の所有権はどうなるの?
犬はかけがえのない家族です。
ですが、離婚によって所有権(養育権)を争う事態になった場合、犬は法律上「物」として家財道具などと同じように財産分与の対象とされるのです。
これは犬を飼っている人にとっては心情的に良い感情は抱けないと思います。
しかし、日本では法律上「犬」は「物」と見なされるのです。
例えば交通事故で愛犬が怪我または死亡しても刑法上の罪状は「器物損壊罪」民法上も「物損事件」扱いになります。
ですが犬は生き物であり愛情の対象ですから互いに感情が絡みます。
それだけに問題の扱いが難しいのです。
離婚した場合「犬」の所有権がどちらにあるのか?
これは法律上の扱いが事例によって変わるため何とも言えません。
所有権(親権)がハッキリする事例を上げますと・・・
たとえば妻が結婚前から飼っており連れてきたのであれば、その犬は妻の特有財産とみなされるため、この場合は妻に所有権(親権)があります。
しかし、結婚後に夫婦共有のお金で購入した場合は夫婦の共有財産となりますから、通常の財産分与として処理がなされるのです。
ですが、犬は生き物ですから半分ずつ分ける事はできません。
どちらか一方が引き取る場合も法律の上では犬の現在評価格(市場で売却する場合の値段)を評価し、引き取る方がその評価額の2分の1を相手に支払うか、又は、その評価額の2分の1に相当する財産を譲ることになります。
感情的には納得のいかない扱いですが、スンナリとどちらが引き取るか決まれば法律上はこのような扱いとなるのです(^_^;)
離婚した場合「夫婦共有財産」である「犬」の所有権はどう決める?
★一番もめるのが夫婦ともに所有権(親権)を主張した場合です。
特に仔犬から2人で育ててきた場合はどちらも情が深いですから離れがたくお互いに譲れないですよね。
この場合の所有権(親権)をどう決めるべきなのか?見てみましょう。
基準となるのが下記の項目です。
- 犬がどちらに懐いているのか?
- これまでの飼育状況として、どちらが主に犬の世話をしていたか?
- 夫婦が別居している場合は、現在どちらが犬と暮らしているのか?
- 今後の飼育状況として、犬と暮らせる住環境を整えているのか?
- 犬を飼育していくだけの経済力があるか?
- 犬の世話をする十分な時間がとれるのか?
これらの事情を総合的に考えて、どちらが犬を引き取るかを話し合いで決めて行くことになります。
離婚となると夫婦双方、もしくは一方が引っ越しや転職などでライフスタイルや住環境が大きく変わることもあるでしょう。
それでも今まで通りに犬を飼う事ができるのか?
双方慎重に冷静に協議する必要があるのです。
余談ですが、万が一冷静に考えた結果、どちらも引き取れないとなった場合は第三者への譲渡も視野に入れておくべきです。
無責任に飼育放棄の挙句保健所で殺処分だけは避けたいものです。
そして、考えて欲しいのが、当人同士の感情だけでなく、どうする事が犬にとって最もストレスが少なく幸せに過ごせるのかを最大限、配慮してあげることも必要です。
ワンちゃんも空気を察しますからね・・・
夫婦両方に懐いていた場合はワンちゃんにとっても辛い状況となりますから(泣き)
離婚した場合「犬」の所有権を得た方は養育費を貰える?
離婚して夫婦共有の財産であった犬を引き取った場合、養育費が貰えるのか?
素朴な疑問ですが、結論から言うと犬は法的に「物」扱いですから引き取らなかった方が引き取った方へ養育費を払う義務はありません。
また、引き取った方が養育費を請求する権利もありません。
あくまでも法的に所有権(親権)や養育費は問題とならないのです。
法的に後々のトラブルを避けて何らかの効力を持たせたいのであれば離婚時に話し合いで取り決めて書面を交わせば有効な契約となります。
たとえば
- 今後かかる飼育費用の負担割合
- 面会の権利や頻度
- 引き取った方に万が一の事があった場合にどうするか?
など・・・
あらかじめお互いが合意の上で離婚協議書に記しておくと良いでしょう。
いずれにしろ、日本では犬の養育費は引き取った側の負担となります。
ただ、私の個人的な意見ですが、大切な我が子は養育費だとか関係なく自分の手元で生涯家族として共に暮らしたいという思いがありますね。
あとは、何かあった時に頼れるように、普段から身内や友人・知人とは良好な関係を築いておきたいなとも思っております(汗)
離婚した場合大切な家族である「犬」の所有権や養育費はどうなるの?まとめ
それでは本日の話題についてまとめておきますね。
- 犬は法律上「物」として家財道具などと同じように財産分与の対象となります。
- どちらか一方が結婚前から飼っていて連れてき場合は特有財産として連れて来た方に所有権があります。
- 結婚後に夫婦の財産から購入した犬である場合は夫婦の共有財産となります。
- 夫婦共有財産の犬は話し合いによって所有権を決めることになります。
- 養育費に関しては引き取った方の負担となります。
- 犬の場合は養育費を払う義務も請求する権利もありません。
- トラブルを避ける為には離婚協議書や誓約書を交わし書面に所有権や面会権、今後の費用負担割合など双方合意の上で記載することにより法的な効力を得られます。
最後にワンちゃんの幸せを第一に考え、お互いに納得できるようにちゃんと話し合って下さいね(^_-)-☆
くれぐれも悲しい結末にならない事を祈ります。
※尚、詳しくは法律の専門家である弁護士や司法書士に相談して下さいね。