唇にトラブルがあると口紅は塗れないし、喋るにしても物を食べるにしても動かす度に切れたりしみたりして痛いのが嫌になりませんか?
なかでも唇にできる「ぶつぶつ・ざらざら」としたできものは痛いだけじゃなく、症状によっては痒みがあったり、おまけに見た目も醜かったりするので気が滅入りますよね。
じつは、唇にできる「ぶつぶつ・ざらざら」は速やかに病院に罹った方が良い場合があるのです。そこで、今回は唇にできる「ぶつぶつ・ざらざら」の原因と考えれる病気について解説しますね!
Contents
唇にできる「ぶつぶつ・ざらざら」の原因
唇にできる「ぶつぶつ・ざらざら」は単なる唇荒れでない場合があり、ウィルスやそのほかの原因による炎症の可能性が高いのです。
市販の薬や薬用リップクリームで済ませてしまうと場合によっては症状を悪化させるかもしれません。
また、ウィルスが起因している場合は家族にうつす危険があるので自己判断は禁物です。
唇にできる「ぶつぶつ・ざらざら」考えられる病気
唇に「ぶつぶつ・ざらざら」する症状が出る場合は何らかの炎症が疑われます。
そして、唇に起こる炎症にはウィルス性の炎症とそれ以外の炎症があるのです。
それぞれ特徴と注意事項がありますので炎症別に解説していきます。
ぜひ、参考にされて下さいね。
最初に疑うべき唇の疾患・口唇(こうしん)ヘルペス
口唇ヘルペスは俗に「熱の花」とも呼ばれ、単純ヘルペスウィルスが原因で起こります。
この単純ヘルペスはウィルスの中でも感染力が強く、ほとんどの方が子供の頃に感染し抗体を保有しています。
単純ヘルペスウィルスは感染したその時には発症せず、“不顕性感染”といって、そのまま体内で静かに潜伏し続けるという特徴があります。
〇ヘルペスウィルスが牙をむくのはなぜ?
多くの場合、子供の頃に感染していても95%が発症しないため、自分が感染しているとは気付かずに大人になります。
しかし、単純ヘルペスウィルスは
- 風邪などの病気を患ったとき
- 過労や睡眠不足
などによって体の免疫力が低下した時に牙を剥いてきます。
〇さらに、やっかいな事に・・・
通常、風疹やはしかなどウィルスによる病気は、一度罹れば体内に抗体ができるので2度は罹ることはありません。
しかし、単純ヘルペスウィルスは、ずっと体内に残り続けて、体の免疫力が低下する度に繰り返し皮膚や粘膜に炎症を起こすのです。
たとえば、潜伏場所が唇であれば、口の周りにある神経細胞の中に潜み続けるのです。
〇ヘルペスウィルスを完全に退治する方法はあるの?
残念ながら一度感染してしまった単純ヘルペスウィルスを退治する方法はありません。
なので、発症しないためには予防が一番となります。
あと、発症して症状が出たとしても、適切な処置と治療を受ければ2週間ほどで回復します。
単純ヘルペスウィルスは子供の頃に感染していた方が、大人になってから初感染するよりも発症した場合に症状が軽く済みます。
大人になってから初感染すると重症化しやすいので注意が必要となります。
口唇ヘルペス症状と注意点
口唇ヘルペスは発症すると下記の4段階の症状で進んで行き2週間ほどで回復します。
各段階の症状と注意点を解説します。
1)口唇ヘルペス前駆期(発症前の前触れ)
口唇ヘルペスは発症前に何らかの兆しが起こります。
繰り返し経験すると自分でも分るようになって来ます。
前駆期の症状
- 見た目の変化は特にない。
- 症状が出そうな場所に違和感や痒み、ほてりが感じられる。
- チクチク・ヒリヒリ・ムズムズする事が多い。
2)口唇ヘルペス初期
皮膚に違和感があってから半日ほどで症状が顕れる。
初期の症状と注意点
- 最初に皮膚に違和感があって半日ほどで赤い腫れが起こる。
- この赤い腫れは皮膚表面がただれたように見える事もある。
- この症状が出始めると体内ではウィルスが活発に増殖している。
- 口唇ヘルペスは初期の段階で治療を始めることが重要!
最近では市販薬もありますが、皮膚科を受診した方が確実です!
3)口唇ヘルペス中期
赤く腫れた部分の上に小さなぶつぶつとした水泡ができます。
初めて症状が出た時は水泡のサイズが大きく、再発を繰り返すたびに水泡のサイズは小さくなって行きます。
中期の症状と注意点
- 口唇ヘルペスの水泡は一か所に集まってできる特徴がある。
- 水泡は気持ち悪くても絶対に潰してはならない。
- 水泡にはヘルペスウィルスが存在する液体が入っている。
- 潰せば液体とともにウィルスが散ることで症状の範囲が広がってしまう。
- 万が一、水泡がつぶれた患部を手で触ってしまった場合はしっかり手を洗うこと!
- ウィルスの付いた手で目や粘膜、傷のある皮膚に触らないように注意する。
※特に口唇ヘルペスが発症している時は顔そりや髭剃りは避けた方がよい。
カミソリを当てた後は皮膚に見た目にも分らない傷ができており、そこにウィルスが付着すれば唇以外の部分にも症状が広がる危険がある。
そうなると見た目がかなり悲惨になってしまいます(>_<)
4)口唇ヘルペス後期
水泡の後が瘡蓋になって治って行きます。
後期の症状と注意点
- この時期は瘡蓋のある場所とそのまわりがざらざらとした触感になる。
- この瘡蓋を剥がさないように注意すること!
- 瘡蓋を引っ掻いたり剥がしたりすると後が残ってしまう可能性がある。
口唇ヘルペスの感染経路と対応策
口唇ヘルペスは感染力の強いウィルス性の疾患です。
そのため、発症中は自分自身でも感染範囲を広げてしまう危険に加えて、他人に感染させてしまう危険があり、特に発症期間中は感染させやすいので気をつけましょう!
口唇ヘルペス発症中の注意点
- 発症中は家族・パートナーなど、恋人同士でのふれ合いはキスも含めて避ける。
- 発症中の親が食事の時にスプーンや箸など子どもと食器を共有するのは避ける。
- 子どもと肌を合わせるスキンシップはウィルスをうつさないように気をつける。
- 症状が回復すれば感染させる危険性は殆どなくなるが、100%安全ではない。
- 無症状でも唾液や体液にウィルスが排出されている場合がある。
- 症状がでていない回復後でも感染リスクがゼロではない。
- 家族・恋人間でのふれ合いにはそれを自覚した上での配慮が求められる。
- 感染経路は接触感染が主となるが、それ以外でも感染する危険がある。
- タオルほかを家族の間で共有して使わないようにする。
- ウィルスが付着した洗濯物は乾燥機にかけてウィルスを死滅させる。
- 外干しの場合は日光に当ててウィルスを死滅させる。
- 患部に触れた手で食器や食べ物を扱うのは避ける。
- ドアノブなど共通で触れるものにウィルスが付着する可能性がある。
- 感染予防には手洗いを徹底する。
単純ヘルペスウィルスは体の免疫力が低下した時に牙を剥くため、再発に気を付ける。
再発を予防するためには日頃から偏った食事や睡眠不足、過労などで免疫力の低下を招かないように規則正しい生活を心掛けるようにしましょう!
その他に疑われる唇の炎症・口唇炎って何?
唇にできる「ぶつぶつ・ざらざら」の症状にはウィルス以外の原因によって起こる炎症があり、口唇炎と呼ばれています。
口唇炎も睡眠不足や過労、風邪を引いた時など体調が優れない時に発症します。
つまり、唇の状態は健康のバロメーターといえます。
では口唇炎について解説して行きます。
口唇炎が発症したらどんな感じ?
口唇炎になると唇とその周りの皮膚に皮膚炎や湿疹などの症状が出ます。
主な症状として唇が赤く腫れたり、唇が裂けて出血したりして痛みを伴う場合があります。
他にも唇に口内炎のようなぶつぶつが出たり、皮がめくれて唇表面が荒れるため、ざらざらしたり、ガサガサになります。
また唇と境の皮膚にまで炎症がまたがる事があり、不快なだけでなく見た目も気になります。
☆口唇炎の種類と症状・対応策☆
口唇炎の代表的な炎症4つを解説します。
ご自分がどれに当てはまるか参考にされて下さいね。
①接触性口唇炎
- 症状としては赤い腫れやヒリヒリとした痛みを伴い、水泡や湿疹が出る事もある。
- 唇に接触する化粧品や食品などにアレルギー反応を起こすことで唇が荒れる。
- 主にリップクリーム・口紅・歯磨き粉に山芋・マンゴー・キーウィ・イチジクほか
- 唇にピアスをしている場合は金属アレルギーの可能性がある。
唇に出るアレルギー反応はスグには起きず数日後に出るため自分がアレルギーであることに気付けない事が多い。
皮膚科を受診してもアレルギー物質の特定が困難な場合は治療が長期戦となる場合がある。
原因物質を避ける事が唯一の予防法となります。
症状を悪化させる前に皮膚科で適切な治療を受ける事をおすすめします。
アトピー性口唇炎
- 唇が乾燥状態となり唇表面に亀裂が走ります。
- 皮がめくれて唇周囲の皮膚も白く鱗状に粉を吹いたように荒れます。
- アトピー性口唇炎の方はもともと皮膚がドライスキンの傾向にある。
- 外部からの刺激に弱く、唇と周辺が乾燥しやすい方が多いと言われています。
- 唇とその周囲がざらざら・ガサガサして色素沈着を起こすことがあります。
- 通常は痒みなどは伴いません。
- 予防・治療ともに唇と皮膚の乾燥を防ぐことが大切です。
加湿器を使用して室内の湿度を調整したり、純度の高いワセリンなどの保湿剤をぬって皮膚や唇の乾燥を防ぎましょう。
同症状が酷いようであれば皮膚科の受診をおすすめす。
剥離性口唇炎
別名「剥脱性口唇炎」とも言われます。
主な特徴として・・・
- 唇の皮がめくれたり、黄褐色の湿った瘡蓋ができたりします。
- 唇表面がざらざら・ガサガサになります。
- 黄褐色の湿った瘡蓋で見た目がかなり醜く、外見上で悩む方もいます。
瘡蓋や皮を自分で剥がしてしまうことが多く、繰り返しなる方が後を絶ちません。
繰り返しているうちに難治性へと変るため注意が必要です。
難治性に移行すると何年も治らず憂鬱に過ごす事になります。
瘡蓋や皮は絶対に剥がさないようにしましょう!
※軽度の内に皮膚科を受診して適切な治療を受ける事をおすすめします。
光線口唇炎
外で紫外線を浴びる時間が長い方に発症しやすく、特に下唇に発症します。
主な症状として・・・
- 唇が赤く腫れ、腫れた部分が膨張し、水泡になることもあります。
- 水泡にならなかった場合も乾燥によるヒビ割れが起します。
- 唇表面がぶつぶつ・ボコボコ・ざらざら・カサカサになります。
- また、唇と皮膚の境界線が不明瞭になるほど荒れる事もあります。
- 水泡や乾燥による痒みがあります。
- 水泡が破れるとヒリヒリとした痛みを伴い治るまで苦痛が続くことがあります。
発症中は細菌などへの2次感染で症状が悪化するため、患部を清潔に保つ必要があります。
※こちらも軽度の内に皮膚科を受診した方が良いでしょう。
どれも、それぞれ特徴がありますが、似たような症状が重なる部分もあって自己診断が難しいことが分ると思います。
また、どの場合も細菌などによる患部への2次感染で症状が悪化しますので注意が必要です。
綺麗に早く治すなら皮膚科を受診するのが一番のようです。
本日のまとめ
唇にできる「ぶつぶつ・ざらざら」の原因は大きく分けてウィルス性の炎症とウィルス以外の口唇炎が疑われます。
ウィルス性の炎症は口唇(こうしん)ヘルペスがあります。
ウィルス性以外の口唇炎には代表的なものとして
- 接触性口唇炎
- アトピー性口唇炎
- 剥離性口唇炎
- 光線口唇炎
などがあります。
いずれも、自己判断せずに皮膚科にかかるのが一番のようです。
これらの炎症は体の免疫力が低下した時や体調不良の時に発症しやすくなります。
日頃から睡眠不足や過労を避けバランスのとれた食事をして、健康管理に注意するのが一番の予防となります。